研究室レポート|分子生物化学研究室(清水光弘先生)
明星大学の30号館には、化学・生命科学コースで使用される実験室や研究室が入っています。キャンパス東側の奥にあり、学生実験でもよく使うので、講義室からの移動はいい運動になります。
今回の『研究者インタビュー』に続き、30号館にある清水先生の研究室や、実験で使うさまざまな装置を紹介していただきました!ぜひ一緒に見学してみましょう。【リポーター:おりは】
清水光弘先生(理工学部 総合理工学科 化学・生命科学コース)
実験中の先輩方をご紹介!
写真に写っているのは、DNAの電気泳動を実験中の先輩方です。
マイクロピペットを操作してアガロースゲル(寒天ゲル)電気泳動装置に試料添加しているところです。総合理工学科では、1年前期の「理工実験実習」の科目の実験のひとつで、アガロースゲル電気泳動とマイクロピペットを習得します。総合理工学科には物理学、化学・生命科学、機械工学、電気工学の4つのコースがありますが、1年前期のこの科目ですべてのコースの実験・実習を体験しますので、化学・生命科学コース以外の学生も一緒に実験を行います。
この電気泳動法によるDNAの実験には、清水先生も担当教員の一人として指導されています。実験では説明を聞きながら実験を進めていくので、難しさは感じませんが、緊張で手が震えて上手くいかないこともあるので、度胸と慣れが必要かもしれません。うっかり試料を注入するウェル(凹み)から試料が溢れないよう、注意しましょう!(筆者の実体験です)
無菌操作の基本
化学や生命科学系の実験では、試料や試薬・器具が欠かせません。
そのような器具類の棚の中に置かれていたのは、なんと爪楊枝(アメリカ製)です。アメリカの爪楊枝は平で塗りやすいのだそうです。
これは酵母菌などを培地に塗り広げる時に使うもので、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)によって滅菌されています。
この爪楊枝に限らず、微生物の培養では雑菌の混入を防ぐため、使用する器具と試薬を滅菌する必要があります。どれほど大事かというと、生命科学分野の実験が本格的に始まるのは2年次からですが、最初に行うのが「無菌操作」の実験になっているぐらいです。
(絶賛培養中のプレート。写真だと少し分かりづらいですが、小さくて丸いツブツブがかわいいですね)
この写真は、大型の冷却遠心分離機(左)と恒温振とう培養器(右)です。
遠心分離機は遠心力により物質の密度差を利用して、混合物を分離する装置です。1、2年次の化学・生命科学実験でも小型の遠心分離機をよく使います。
右側は恒温振とう培養器。微生物などを液体培地で培養する際、振とうさせることで酸素を供給しながら効率的に培養(好気培養)できます。生物系ならではの装置ですね。
実験室の安全装置
最後に実験機器とはちょっと違いますが、実験で使われる安全設備を紹介します。
ドラフトチャンバー(左)と緊急シャワー(右)です。
ドラフトチャンバーは換気機能が付いていて、揮発性の高い有機溶媒や、濃塩酸・濃硫酸などを取り扱う際はドラフト内で行います。化学・生命科学コースではよくお世話になる設備です。
緊急シャワーは有害な物質を浴びてしまったとき、すぐに洗いながすための装置で、実験室内や廊下に設置されています。写真の緊急シャワーはブースのようになっていて、ちょっとかっこいいですね。
今までの装置や器具と違って、普段使うことはありません……というより、これを使うことが無いように気を付けて実験を行いましょう!
清水先生の研究室には、ここでは紹介しきれないほどたくさんの器具や装置がありました。
また、化学・生命科学分野では、反応や結果を見ているだけでもワクワクするようなものがたくさんあります。ちょっとでも興味や疑問が湧いたなら、一緒に実験を楽しみながら生命の謎を探究してみませんか?
以上、清水先生の研究室見学レポートでした!
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