大気質のシミュレーションモデルの研究で大規模プロジェクトや学会発表にも挑戦
入澤 大悟
理工学研究科(大学院)
環境システム学専攻 博士前期課程2年生
大気科学研究室
明星大学理工学研究科で学ぶ入澤大悟さんは、櫻井達也教授の大気科学研究室で大気汚染のシミュレーションモデルと観測データの比較解析に取り組んでいます。将来は環境課題の解決に貢献したいと思っています。
大学4年生から大学院2年生の現在まで、大気汚染物質の一つである光化学オキシダント(Ox)に着目し、大気質のシミュレーションモデルについて研究しています。
大気汚染が発生する要因は複雑で、Oxがいつ、どこで発生するのかを突き止めるのは、簡単ではありません。Oxの発生現象を予測するシミュレーションモデルが開発されていますが、まだ正確に予測できるまでには至っておらず、さらに精度を高めていく必要があります。そのために、櫻井達也先生が参画する環境省の研究プロジェクトに携わり、Oxの発生予測シミュレーションモデルと、現実の観測データを比較し、数値モデルにどの程度再現性があるのかを検証しています。現在は首都圏の200地点で、高濃度のOxの発生を捉えた観測データ3年分を解析しているところ。膨大なデータを処理するのは大変ですが、自分が解析した結果が研究プロジェクトで生かされると思うと、大きなやりがいを感じます。
プロジェクトの報告会で、名だたる研究者の方々を前に成果を報告したり、大気環境学会でポスター発表を行ったり、学外で発表する機会もたくさんあります。そうした経験を通じて、自分の考えをはっきり述べ、専門的な内容をわかりやすく伝えるなど、プレゼンスキルが磨かれたと感じています。また研究室で、メンバーと互いの研究について議論を交わすことも、いい刺激になっています。さまざまな意見を聞いて、それまで見えていなかった視点に気づかされることも少なくありません。
大学3年生と大学院1年生の夏、大気科学研究室の卒業生が勤める環境コンサルティング会社でインターンを経験し、仕事の面白さを実感しました。将来は、先輩方のような環境コンサルタントになり、さまざまな環境課題の解決に貢献したいと思っています。
2025年9月掲載
*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。