タンパク質のダイナミックな動きを
実験によって自分の目で捉えるのが面白い。
呉 俊宏
理工学研究科(大学院)
化学専攻 博士前期課程1年生
構造生命科学研究室
現在取り組んでいる研究が、医療分野にどう生かせるかに関心を持っている。高校時代から学業以外に学外の自然科学読書クラブに参加し、生命科学分野の知識を広げていた。趣味は一眼レフカメラ。富士山にも登ってみたい。
日本の大学で学ぶために来日し、進学先を探していた時、明星大学のホームページを見て、DNA修復に関する香川亘教授の研究に興味を持ち、「この先生のもとで学びたい」と、進学を決めました。念願かなって香川研究室に入り、傷ついたDNAを修復するタンパク質RAD52に関する研究に取り組んでいます。
RAD52は、二重らせん構造をしたDNAの両方の鎖が切れてしまう「二重鎖切断」の修復において重要な役割を持つことが知られています。しかしその詳細な分子機構はまだ十分に解明されていません。私は香川先生の指導のもと、他大学との共同研究にも参加して、その解明を目指しています。
現在、蛍光顕微鏡を使って、RAD52の挙動を観察する実験を進めています。これまで私は、RAD52がDNA二重鎖切断部位に集積し、DNA修復に必要な他のタンパク質を効率的に引き寄せる様子を捉えることに成功しています。さらに、RAD52のアミノ酸配列の一部を変更した変異体を使った実験も進めています。その結果、RAD52のどのアミノ酸領域がDNA二重鎖切断部位への集積に重要であるかについて新たな知見を得ています。タンパク質の調製は非常に手間のかかる作業ですが、蛍光顕微鏡でRAD52が集積している様子を目の当たりにした時は、努力が報われたような大きな喜びを感じます。
修士課程1年次の秋には国内の二つの学会で、最新の研究成果をポスター発表しました。初めて学外の研究者や大学院生の前で発表するという緊張感の中で、活発な議論を通じて貴重な経験を得たと感じています。
私がこの研究に感じる最大の魅力は、タンパク質の動きをナノスケールで「目に見える形」で捉える点です。今後は博士後期課程に進学し、研究をさらに深めていきたいと考えています。また将来的には、海外の大学で学びを広げ、研究者として活躍することを目指しています。
2025年3月掲載
*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。