浅草寺の表参道「仲見世」を再生したら? 「訪れる人がどう感じるか」を大切に設計する
藤田 拓己
建築学部 建築学科4年生
建築史・建築再生研究室
高校時代はフェンシングに熱中。明星大学で、それ以上に夢中になれる「建築」に出会い大学院にも進学予定。最も感動した建築は、建築家・西沢立衛氏らが設計した豊島美術館。世界中の有名建築を見に海外へ行ってみたい。
齊藤哲也先生の「再生論」の授業を受けて、歴史的な建物や都市の再生に興味を持ち、齊藤先生の建築史・建築再生研究室を選びました。現在は、東京・浅草にある浅草寺に続く表参道を再生するならどうするかをテーマに、卒業設計に取り組んでいます。浅草寺には、雷門から宝蔵門まで「仲見世」と呼ばれる全長約250mに及ぶ参道があります。表参道の両側にはさまざまな店が軒を連ね、多くの参拝客や観光客で賑わっています。卒業設計では、伝統や歴史的な意味を踏まえて本来あるべき参道を復活させながら、現代的な要素を加え、観光客などの多様な人々のニーズにも応える新しい参道のあり方を提案しようと考えています。設計する上で大切にしているのは、そこを訪れた人がどのように感じるかを推し量ること。背の高い人、高齢の人、あるいは車いすに乗っている人など、さまざまな人が仲見世を見た時の感じ方に焦点を当て、視覚的な効果や機能を考えるようにしています。
最もワクワクするのは、アイデアが思い浮かんだ瞬間です。すぐにデッサンしたり、簡単な模型を作ったり、アイデアを形にするのが、面白くて仕方がありません。もちろん練りに練って仕上げた設計案でも、齊藤先生から改善点を指摘されることもあります。考え抜いたデザインを壊すのは苦しいけれど、もう一度考えることで一段と設計が良くなった時は、諦めずに頑張って良かったと思います。一番学びになるのは、実際の建物を見ることです。ゼミ合宿では、齊藤先生や研究室のメンバーと、軽井沢や千葉を訪れ、著名な建築を見学。建物の大きさや構造を自分の目で確かめることが、勉強になっています。尊敬する多くの建築家のように、いつか誰かに感動を与えられる建物を設計できるよう自身の感性を磨いていきたいです。
2025年9月掲載
*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。