大規模言語モデルは、比喩表現を理解できるか? 研究を通して人間が見えてくるのが面白い
工藤 隆弘
情報学研究科(大学院)
情報学専攻 博士前期課程2年生
計算言語学研究室
高校時代は軽音部に所属。現在はオンラインゲームが楽しみ。休日にはハイスコア獲得やランキング上位を目指してスキルを磨いている。好きな食べ物はパスタ。座右の銘は「3年経てば笑い話」。
ChatGPTのような、人と自然に対話したり、質問に答えたりできる大規模言語モデルがどんどん普及しています。こうした言語処理技術が、どのように人間の言葉を理解しているのかに興味を持っています。
現在は、大規模言語モデルが「比喩表現」を理解できるのかに焦点を当てて研究。大規模言語モデルと人の両方に、比喩表現から連想される言葉をたずね、両者を比較することで、大規模言語モデルの比喩理解能力を評価しようと試みています。実際に120種類の比喩表現について調査を実施。ひとつの比喩表現につき60人の対象者に各表現の解釈をたずねました。その結果を分析し、比較検討しています。調査してみると、人であっても同じ比喩表現に対して多種多様な解釈があることに驚きました。こうした多様な言語表現をコンピュータがどのように理解するのか、興味は尽きません。
大量のデータを処理・分析するのは大変ですが、分析の結果、思いがけない結果が見えてきた時は、研究の面白さを感じます。指導教員の横野光先生は、いつも学生に真摯に向き合い、時間を惜しまず指導してくださるので、ありがたく思っています。
指導教員だけでなく、明星大学の先生方は、学生が何かに挑戦したり、主体的に行動したりする時、それを力強く後押ししてくださいます。そうしたサポートを受けながら、関心を持ったことに対して積極的に行動することが大切だと実感しました。
大学・大学院での学びを通じて、プログラミングの技術など、実践的な力も身につきました。将来は、大学で培った専門的な知識や技術を生かせる仕事に就きたいと思っています。
2025年9月掲載
*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。