開発した新製品が採用された瞬間、それまでの熱意と努力のすべてが報われる。
傳刀 賢二DENDO Kenji
信越ポリマー株式会社
開発本部
2017年 理工学部 総合理工学科 卒業
2019年 理工学研究科 物理学専攻 修了
ソフトマター物理研究室
大学・大学院では、古川一暁教授のソフトマター物理研究室で、固体支持膜と呼ばれる人工生体膜について研究しました。親水性の固体表面に脂質分子を塗布すると、それが自発的に二分子膜構造の支持膜を形成します。このダイナミクスを明らかにすることに取り組みました。毎日のように実験を繰り返し、新しい成果が出ると、学生ながら国内外の学会で発表にも挑戦しました。
思い出深いのは、古川先生と共同研究を行うNTT物性科学基礎研究所で、長期インターンシップを経験したことです。半導体製造プロセスなどに応用される微細加工技術に関する研究に携わり、基礎研究がどのように産業に生かされるのかを見たことが、今につながっています。これを機に、先進的な基礎研究で培ったことを糧に、産業の発展に貢献する研究開発に携わりたいと思い、信越ポリマー株式会社に入社しました。
現在は、新製品開発に従事しています。大学時代とは異なり、企業では、他社を意識して他にはない技術や、お客様の要望に応える製品が求められます。心に刻んでいるのは、古川先生に教わった「情報には価値がある」という言葉です。どんなに良い製品でも、それがお客様に理解されなければ、採用されません。そのためにお客様にインパクトを与える資料作りやキーワードの選定にも工夫を凝らしています。大学での研究を通して、実験データを客観的に解釈する力や、自分の考えを伝える力を培ったことが、仕事でも役立っています。自分が開発に携わった製品が、さまざまな苦労を経て、お客様に採用される瞬間に立ち会えた時は、自分の熱意やこれまでの努力がすべて報われた気がします。
いつかは世界中で使われるような製品を開発したい。製品開発を通じてグローバルに活躍できる人材になりたいと考えています。
2025年3月掲載
*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。