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理工学部

世界中の誰も知らないことを
いち早く突き止めるのが、
基礎研究の醍醐味。

相澤 由有希

理化学研究所
平野染色体ダイナミクス研究室

2016年 理工学部 総合理工学科卒業
2018年 理工学研究科 化学専攻修了
構造生命科学研究室

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大学・大学院では、損傷したDNAを修復するタンパク質について研究しました。RAD52というDNA修復タンパク質に着目。出芽酵母のRAD52のアミノ酸配列を改変し、立体構造を解析するための試料を得ることに成功しました。またヒトのRAD52を用いて、RAD52がどの程度正確にDNAを修復するのかを検討し、そこに法則性があることを突き止めました。

学生時代に学んだことや研究を通して養った技術・能力の多くは、研究職として働く今に役立っています。授業で化学実験を行ったことも、その一つです。実験結果をもとにグループで議論することで、多様な考え方を知り、視点を広げて考える力が身につきました。また大学院では、プレゼンテーションを行う機会も豊富にあります。多くの人に自分の研究を説明する経験を通じて、論理的思考力や議論する力も培われました。実験はうまくいかないことも多いだけに、良いデータを得られた時は大きな達成感を感じます。そうしたやりがいのある研究を仕事にしたいと考え、研究職を志しました。

現在は、遺伝情報が保存されている染色体がどのように制御されているのか、分子レベルでそのメカニズムを解明しようとしています。今も実験するたびに壁にぶつかりますが、上司や研究員と意見を交換しながら頭を悩ませるのが楽しいです。何より自分が新しいデータや知見を見出し、それが論文として世に出た時の喜びは、計り知れません。

世界中の誰も知らないことを研究によっていち早く知ることができるのが、基礎研究の醍醐味です。これからさらに多くの実験技術を身につけ、世界のどんなラボでも力を発揮できる研究者になりたいと考えています。

2024年3月掲載

*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。