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わくわく機械屋 #02

ねこバス

宮本 岳史

理工学部 総合理工学科
教授 / 博士(工学)
鉄道車両の運動と機械力学の研究室

ぼくの理想の公共交通は、ねこバス、となりのトトロに出てくるあれ。

利用者が必要としているとき(これをオンデマンドと言う)に、行きたいところまで、田圃や森の道無き道を安全に進み、ソフトな車体で快適に、風のように速く連れて行ってくれる。ただし、見える人には見えるのかもしれないが、その運行は知る人ぞ知るところらしい。

乗り物に求められる機能は、便利さ、快適さ、安全などでしょう。便利さの具体的な中身は、速さ、利用しやすさ、低コスト、荷物の運搬、プライベート空間であることなど、さまざまなようです。また、これら便利な機能の優先度は、ひとりひとりで異なりますし、同一人物であっても、時々の移動目的で変化します。

トトロが叫んで呼び出すねこバスのオンデマンド機能は、スマホのタクシーアプリで、一部実現されていると言えるでしょう。他にも、例えば渋谷駅から山手線に乗る際には、駅に行けば3分以内に電車がやってくる状況もある意味でオンデマンドです。目的地まで高頻度運転の路線が繋がっていれば便利だし、手軽に、身軽に利用できる点も鉄道の便利な機能でしょう。これらは、都会で列車の密度が高いから実現されているオンデマンド機能と言えます。

都会では多数の利用者と鉄道事業者の間で日常的に契約が成立し、つまり多くのお客さんが求め、応える鉄道会社という両者が便利な公共交通の機能を成立させているのです。東京都心の鉄道網は、多くの人や物が移動するところではじまり、便利な鉄道駅周辺に人がさらに集まる。都市・街の発展と鉄道は不可分でした。

人口減少が進む中で、今、中小の地方鉄道は従来の機能だけでは生き延びられません。廃線せず発展するには、鉄道に求め、鉄道が実現できる機能を新たに見つける必要があるのでしょう。

北海道では「冬こそJR」と、雪でも安定した輸送(機能)をアピールしていました。

「人が少ないからこそ鉄道」、手軽に身軽に駅周辺に人が集まり、電車内の出会い♡があり、人とお話しできる車内、飲み食いできる車内、鉄道で人や地域、物産の交流が生まれる、出会う喜びのある鉄道。そんな鉄道って、あったら良いなあ~。求めてこそ理想、理想に向かって発展する社会を望みます。

宮本 岳史

理工学部 総合理工学科
教授 / 博士(工学)
鉄道車両の運動と機械力学の研究室

宮本 岳史

専門分野

機械力学

キーワード

車両運動、鉄道車両、走行安全

研究室HP

鉄道車両の運動と機械力学の研究室

教員情報

明星大学教員情報 宮本 岳史

趣味はフィルム面とレンズを捻ってパンフォーカス写真を撮ること。被写体は葉っぱや木、林または寺や神社の柱の木目などが好きです。

2025年3月掲載

*内容・経歴は取材もしくは執筆時のものです。